昨年末くらいから、意識していくつかの CMS を試すようになりました。
要件的に問題がなければ Movable Type を選択しがちでしたが、うぇびんさんのスライドを見て「改めて幅を拡げておきたいな」と考えたのがキッカケです。
Web制作の幅が広がる! プロジェクトの傾向から考える、 2つ目•3つ目のCMS選び:http://www.slideshare.net/webbingstudio/web-cms-52695840
そんな中、恋に落ちるほどの衝撃的を受けたのが Craft CMS との出会いなのですが、残念ながら日本語で解説された記事をほとんど見かけない、寂しい現状。。。
そこで、少しでも多くの方に興味を持っていただけたらという願いも込めて、Craft CMS にまつわる話題を Advent Calendar と絡めつつポストしていくことにしました。状況によって投稿日が遅れる可能性もありますので、そこはユルくお付き合いください w
これは Craft CMS Advent Calendar 2016 1日目の記事です。
そもそも、Craft CMS とは?
Craft CMS | Focused content management for web professionals:
https://craftcms.com/
Craft CMS は、公式サイトの文言を引用すると「開発者やコンテンツ管理者の暮らしを楽しくすることを目指す、コンテンツファーストな CMS」です。これ自体は曖昧な表現ですが、実際に使ってみると「複雑なコンテンツ構造でも開発者が柔軟かつ比較的簡単に実装でき、運用者視点でも判りやすく使いやすい(だろう)」と感じられるシステムでした。
公式サイトのトップページに記載された「125,000以上の有償ライセンスがアクティベートされている」という点や CMS 関連の情報を発信している海外サイトの CMS Critic で過去2年連続 Award を受賞していることもあり、個人的に目が離せなくなっています。
Craft CMS Wins Best CMS for Developers | News | Craft CMS:
https://craftcms.com/news/best-cms-for-developers-2015
Craft CMS のメリット
後日改めて触れたい内容も含め、思いつくまま列挙してみます。
- 無駄のない直感的に操作できる管理画面(レスポンシブにも対応)
- Matrix フィールドによる再利用可能な入力欄(a-blog cms のユニットのような機能)
- 記事、アセット、カテゴリ、タグの自由な関連付け
- 必要に応じた構成が可能なフィールドレイアウト
- セクションやグループを利用した絞り込みとカスタムフィールドの連携による利便性
- Twig ベースのテンプレートは、意外と学習コストが低い
- 複雑な検索システムや REST API のような仕組みも、テンプレートのみで実装可能
- 標準機能で多言語対応可(※要 Craft Pro への有償アップグレード)
- 比較的簡単にプラグインを開発できる拡張性の高さ
- 高機能な割に、リーズナブルな価格設定 etc...
あくまで BUN 視点ではありますが、ちょっと考えただけでもメリットは枚挙にいとまがありません。
Craft CMS のデメリット
とはいえ、デメリットもそれなりにあります。
- 日本語で参照できる情報が少ない
- お問い合わせフォームなどは、有償プラグインや別システム頼みになりそう
- Matrix フィールドを含む場合、CSV ファイルからインポートする方法がなさそう(※XML や JSON はプラグイン有)
- 承認ワークフローはプラグインで追加できるものの、現状は1段階までに制限されそう
メリットと比べると具体的(かつ、単なる知見不足に起因するかもしれない)な不満点のため、使いどころによるものの、総じてとても面白いシステムだと考えています。
でも、お高いんでしょう?
Craft CMS は管理画面上でライセンスの購入とアクティベートができる仕組みになっていて、料金体系は3タイプに別れています。
Pricing | Craft CMS:
https://craftcms.com/pricing
要点を簡単にまとめると、以下の構成となります。
Personal
- 無料
- アカウントは管理者のみ
- クライアントワークの場合は、Client プランへのアップグレードが必要
Client
- $199
- アカウントは管理者 + クライアント用アカウント x1
- ログインアイコンや通知メールを自社ブランド向けにカスタマイズ可
Pro
- $299
- アカウントは無制限(ユーザグループやアクセス権限の設定も可)
- ログインアイコンや通知メールを自社ブランド向けにカスタマイズ可
- 多言語対応
- Amazon S3 / Rackspace Cloud Files / Google Cloud Storage 対応
リンク先の FAQ 欄を見ると、Client から Pro への移行は差額分($100)でよく、メジャーバージョンが上がってもアップグレード料金はかからない(※本当なの?と一抹の不安を覚えますが w)ようですので、コストパフォーマンスも魅力と言えます。
なお、開発環境で localhost
や mysite.dev
といったホスト名でアクセスできるようにしておくと、それぞれのプランを無料でテストできます。
という訳で...
Craft CMS の概要をザックリまとめてみたつもりですが、実際に触ってみないとなんとも・・・ですよね?
次回は「MAMP を利用したローカル環境に Craft CMS をインストールする方法」について解説します。